今回、私たちが取材させていただいたのは、小山西元町の新町通にある「加茂湯」です。銭湯を経営している松岡さんにお話しを伺いました。
銭湯の雰囲気
黄色と茶色を組み合わせたデザインで、老若男女問わず、誰からも親しみやすい外観になっています。
ドアを開けるとロビーとフロントがあります。入浴料は、大人(中学生以上)450円。中人(小学生)150円。小人(乳幼児)0円。フロントで飲み物を購入することができます。
シンプルな脱衣所ですが、どこか懐かしい雰囲気があります。
浴室には、大浴槽、薬風呂、電気風呂、ジェット風呂、水風呂、スチームサウナがあります。私たちが取材した日は、しあわせピンクリボンの湯でした。薬湯は日替わり制で、季節によっても大きく変わるみたいです。
加茂湯のチャームポイントである水風呂です。14度で設定されており、隣にあるスチームサウナと一緒に利用するといいかもしれません。常にコロンコロンとクラッシュアイスが落ち続けています。
全国的にも珍しいスチームサウナがあります。一般的にサウナというと、90度~100度くらいの乾燥型のサウナが主流ですが、加茂湯のスチームサウナは48度で設定されています。暖かい 蒸気によって、じんわりと身体を温めることができます。また蒸気のサウナということもあって、肌や髪にも負担が少ないとのことです。
加茂湯の歴史
昭和初期から経営されており、80年を超える老舗です。それを記念して加茂湯オリジナルTシャツも販売されています。もともとは北陸で銭湯をされていたそうで、京都に移ったときに賀茂川(加茂川)の近くに位置していることから、「加茂湯」となりました。現在、松岡孝哲さんで4代目だそうで、家族が一丸となって、お風呂屋さんを経営しているそうです。
新型コロナウイルスの影響
2020年4月、全国一斉に緊急事態宣言が発令されました。飲食店を中心に休業や営業時間短縮が要請されるなか、銭湯は手当の対象外だったこともあって、お客さんが少ないながらも、営業を続けていたそうです。「少人数でも来てくれると…」と当時の思いを話す松岡さん。直接的に被害は受けてはいなかったですが、周りの環境に大きく左右されたそうです。
加茂湯のこれから
最近になって、松岡さんは銭湯を利用する小・中学生などの若い世代が減ってきている印象を受けているそうで、今後、幼いときに銭湯に行ったことがない子どもが、学生や大人になって、他の人から銭湯に誘われても、人前で裸になるのが恥ずかしいといって、銭湯を敬遠されるケースが増えることを心配しているそうです。若い世代の銭湯離れを危惧していることもあって、小・中学生の子どもにも、今後お風呂屋さんに慣れてもらえるような環境を作っていきたいとおっしゃいました。
取材を終えて
今回、私たちは「加茂湯」を訪問させていただき、貴重なお話を聴くことができました。銭湯・温泉が好きな私にとって、とても有意義な時間を過ごすことができました。また新型コロナウイルスが徐々に収まりを見せつつある今、たまに銭湯に入って、ゆっくりと身体を休めるのもいいと思います。最後にお忙しい中、丁寧にご対応いただきありがとうございました。
(大谷大学2回生 鎌田康暉)
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加茂湯
〒603-8113 京都市北区小山西元町45
TEL 075-492-4561
営業時間 15:00~深夜2:00
定休日 毎月第2・第4の火曜・水曜