今回訪ねたのは、大徳寺から徒歩7分で鞍馬口通りにあるお店「イタリア食堂ガロッパーレ」。 2015 年 12 月 26 日にオープンしたまだ新しいお店で、家族、祖父母世代など幅広い年齢層の方が食事を楽しまれています 。店主の東さんにお話を伺いました。
厩務員から料理の道へ
もともと料理人ではなかった東さん。高校2年生から乗馬クラブに通い詰めで、卒業してから馬の世界へ進みます。25 歳まで兵庫県姫路の園田競馬場で厩務員という馬の世話をする仕事に携わっていたそうです。しかし、23 歳 の頃には「違う仕事がしたい」と思い始め、24歳からは 料理の仕事に就くために調理師学校へ通ったそうです。
料理への興味は、自身の家庭での経験からだといいます。「母親は食べるものへのこだわりがあり、家庭では化学調味料などは一切使わずに料理をされていた」とのこと。そのいい食体験を 活かしたいと思ったそうです。イタリア料理に決めたのは、調理学校で、フランス料理を専攻していた際に 、たまたま見たイタリア料理の調理風景がきっかけ。大胆に肉を焼き、 テキパキとレモンをしぼっている姿を見て、細かい作業が苦手な自分に合っていると考えたそうです。
おすすめのメニュー
パスタは全七種類から選ぶことができます。春夏秋冬で季節に合わせてメニューを変えているそうです。野菜は大原の朝市で週に一回仕入れています。この他、移動販売でやってくる伏見の農家さんの無農薬野菜を二日に一回仕入れ、お店に出す料理に使っておられます。
九種類の前菜の盛り合わせ
ミネストローネ と くるみパン
パンナコッタとカタリーナ ドリンク付き
今回は三つのパスタをいただきました。一つ目は秋の季節限定の「スモークしたさんまと岡山たいき栗と焼きなす」です。さんまの白身がふわふわし、焼けた皮が香ばしく、栗がホクホクでほんのり甘かったです。
二つ目は「タコの柔らかトマト煮込み」です。タコの食感がよく、トマトの酸味がアクセントになっていて爽やかな味わいで食べやすかったです。
三つ目は「エビとホタテのクリームソース」です。魚介のやさしい味わいのエビとホタテを噛んだ時の魚介のエキスが濃厚でクリームとの相性が良く、美味しかったです。
「ガロッパーレ」に込めた想い
お店の名前の一部である「ガロッパーレ」は、ギャロップのイタリア語です。「ご馳走」は馬を四方に走らせて美味しいものを集めてきて、主客におもてなしをするという意味です。馬の世話をしていた経歴とのつながりが面白いですね。そして、店内にも、馬蹄をモチーフにした アンティークや馬の鞍に付けられていた飾りなどが飾られています 。ちなみに、お店はもともと酒屋の倉庫だったそうです。屋根や電線も昔のままで残してあり、懐かしさとぬくもりを感じられる空間となっています。
楽しみながら食事ができる食堂に
インタビューでは2019 年9月にはイタリア研修のお話をしてくださいました。 お店で使っているグラスワイン、ボトルワインのワイナリー見学や、イタリア中部の南寄り町で食事をされるなど、本場の食文化にふれ、 「イタリアの人のように、食べながら楽しく過ごしてもらいたいという気持ちがより強くなった 。 自分が楽しく作らないといけない」と 感じたそうです。
最後に今後の展望を伺いました。「お客さんがもっと楽しみながら食事をしてもらえるように日々、努力したい」と 東さん 。また、料理を食べてもらい、喜んでもらい 、美味しかったという声が何よりのやりがいとのこと。そして「今まで通り 、夫婦仲良く協力しながらやっていきたい」とおっしゃっていました。
取材を終えて
「イタリア食堂ガロッパーレ」さんは、お客さんのことを非常に大切に されています 。お客さんに料理はもちろん、内装、外装の雰囲気も合わせて楽しんで食事してほしいという気持ちを感じました 。また、地域の方から海外の方まで多くの方に愛されるお店で、ぜひまた食事に伺いたいと思います。
(取材:大谷大学2回生 木全治登)
イタリア食堂ガロッパーレ
住所 京都市北区紫野西藤ノ森町 4-25
営業時間 ランチ 11:30~14:30 (L.O)
ディナー 17:30~22:00 (L.O)
電話番号 075-203-8677
定休日 月曜日 (祝日の場合は翌火曜日)