今回、訪問したのは北大路駅からすぐの楽器店「アメリカヤ楽器店」。長年このお店にお勤めの長岡さんにお話を伺いました。
北大路という町で愛されるこのお店の歴史は、戦前までさかのぼります。当時、初代の社長とその母が営んでいた「アメリカヤ洋装店」では、紳士服の販売を行っていました。戦時中には、上官などの集まる宴席の場で、アコーディオンの演奏を披露するほど音楽に愛情を注いでいたといいます。そして、戦争が終わり、当時の社長が持ち帰ったドイツ製のピアノを店頭に並べていたところ、そのピアノを販売することになり、それをひとつのきっかけとして、1945年「アメリカヤ楽器店」としてこの地に生まれたのです。
様々な楽器を販売
お店では、ヴァイオリンなどの弦楽器をはじめ、ピアノやアコーディオンなど多種多様な楽器を取り揃えています。また、楽器の良さを引き出すためのアクセサリー類も充実しています。初心者の方から長年音楽に携わっている方まで幅広い方に、親身に寄り添ってくれるお店となっています。
生徒さんに合わせたサポートで、夢を叶えるお手伝い
こちらの楽器店では、ピアノやヴァイオリンをはじめ、様々な楽器のレッスンを行っています。「楽器があっても弾けなくては意味が無い。音楽は上達してから楽しくなる」ということで、学校とは違った教育を目的に教室を開いているそうです。
最近では、子どもだけでなく大人になってから、趣味として楽器を始める人も増えているそうで、生徒さんに合わせたサポートにより、それぞれの夢を叶えるお手伝いをされています。
生の音楽を楽しむ音楽会
また、身近に音楽と接する機会づくりとして「音楽会・コンサート」も開催。この他、季節に一度はこちらのお店でも音楽会を開いています。二階に置いている楽器を移動させ、40から50脚ほどの客席を設置。一番前の席から演奏者までの距離はほとんどなく、目と鼻の先で感じる生の音楽は圧巻だといいます。大きなホールでのコンサートとはまた違った空気感・雰囲気で聴くことができるのも、また魅力のひとつです。また、一般的なコンサートでは「幼児の方の入場はご遠慮ください」ということも多いのですが、「アメリカヤ楽器店」での音楽会は、「小さいころから生の音楽に触れることが大切」と大歓迎で迎えているそうです。
音楽という彩り
ホームページに書かれている「音楽という彩り」という言葉についてお聞きしました。
「音楽と言うのは耳です。耳はまだこの世に生まれる前、母親のお腹の中にいるころからあります。この耳と音楽は通じるところが多いのです。また、音楽は人間が生み出した最高のものの一つであり、それに携わっていける仕事という部分でも幸せに感じています」と長岡さん。「アメリカヤ楽器店」では「応援します。音楽は人の心に優しいもの」という言葉をモットーにしており、「ただ販売するということだけではなく日々感謝しながらお客様に寄り添う意識をもっていきたい」と話されていました。
ラジオで番組も放送中! FM79.7
こちらの楽器店では「京都三条ラジオカフェ」にて、「えぇンジョイ♪MUSIC」という放送を行っています。毎月第2・第4月曜日のお昼12時から、毎回素敵なゲストをお迎えし、音楽と楽しいトークをお届けしているということです。迎えるゲストも多岐に渡ります。「音楽家だけではなく建築家や医療関係の方など多角的な観点から音楽について知見を深めることができるのもこのラジオ放送の魅力」だそうです。
今回の取材を終えて
今回、長岡さんにお話を伺い、音楽に対する想いの強さをひしひしと感じることができました。限られた人だけのためではなく、誰もが平等に音楽を楽しむことができるように、そして小さいころから生の音に触れる機会を設けられていることに、感銘を受けました。
昔からのつながりを大切にして、未来へとつなげていく。またラジオを通じて情報を発信しながら、新しい出会いやつながりを生み出している点についても、素晴らしいと感じることができました
長岡さん、お忙しいなか貴重な時間を作っていただききありがとうございました。
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アメリカヤ楽器店
住所:京都市北区小山上総町14
TEL:075-441-2341
営業時間:AM10:00~PM7:30
定休日:無休(お盆と年末年始除く)