昭和初期の京町家をリノベーション
大徳寺から程近い北区新大宮商店街に、今年オープンした「京町家コテージkarigane」。
昭和初期に建てられた京町家を、伝統工法にこだわり、手間暇かけてリノベーションし、趣のあるゲストハウスとしてよみがえらせました。木戸を空けて中に入った瞬間から、昔ながらの日本の懐かしさが感じられます。
この宿を経営されている下岡ご夫妻はこのゲストハウスを始められるに、一年半に渡り世界中を旅されていました。その旅の道中で感じたこと、経験が、ゲストハウスのこだわりとして詰まっています。
建物内は、壁や柱、襖、そして椅子や食器などの調度品に至るまでご夫妻のこだわりが感じられます
壁は聚楽土(じゅらくつち)という高級な壁土も使われています。藁を混ぜてざらざらした表面にしたり、多彩な色あいを表現したりと、昔の家造りの面白さも知ることができました。
二階にあるこの小さな坊主襖(ぼうずふすま)は秘密の部屋のような見た目でわくわくしますね。
中にはこのゲストハウスができるまでの写真や、改装する前の吹き抜けの屋根のままになっていたりと、昔の京町家の構造が知ることができます。また、襖の枠の木も丁寧に磨き上げられており、細部まで愛情が注がれているなぁと感じます。
そして最後に特にこだわったというお風呂も紹介しておきましょう。壁一面にタイル貼りで、京都の街並みや観光名所が描かれているステキなデザインです。
kariganeに込められた意味
ゲストハウスの名前にもなっている“karigane”。この言葉にも深い意味が込められていました。
もともとこの京町家は茶道教室として使われていました。お茶の中には茎の部分を抽出し、お茶にする方法があり、その中でも玉露や高級なものは「かりがね」と呼ばれています。
かつての茶道教室の名残りを残しつつ、「かりがね」のように京町家の良いところを活かしたゲストハウスにしたいという想いが込められているんですね。
また、雁金(カリガネ)というカモ科の鳥にちなんだかわいいロゴも。
そして、なんといってもご夫婦お二人のお人柄がとっても素敵です。
「ゲストハウスに泊まってもらい、日本の文化や京都の文化を伝えたい」、「日本に来た外国の方に日本が良い国だと思ってもらいたい、そして世界が平和になってほしい」。世界を旅したお二人だからこその想いが、たくさん詰まったゲストハウスだと感じました。
ぜひ、kariganeに泊まって、お二人のあたたかなお人柄と昔ながら京町家の懐かしさを感じてみてください。
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「京町屋コテージkarigane」
京都市北区紫野下門前町52-2
HP/http://rokushou.net/karigane/
お問合せ/HPよりご確認ください。