今回、訪れたのは堀川今宮を上がったところにある「AMANO COFFEE ROASTERS」(以下、アマノコーヒー)です。店主の天野隆さんにお話を伺いました。
スペシャリティーコーヒーとの出会い
父親が珈琲豆の卸業のお店をしていたという天野さん。コーヒーに関わる仕事は高校時代からでもう20年ほどになると言います。転機が訪れたのは2003年。焙煎や営業の仕事を続けるなか、「カフェタイム」オーナーの糸井優子さんと出会います。「それまでコーヒーはそんなに好きではなかった」という天野さんでしたが、糸井さんが提供するスペシャリティーコーヒーの素晴らしさに感動。「この素晴らしさをお客さんに伝えたい」。そんな想いが湧き上がり、4年前にアマノコーヒーの開業へと至ります。
スペシャルティコーヒーとは
スペシャルティコーヒーとはどんなコーヒーなのか。お店のウェブサイトでは、”美味しい”という驚きと感動を与えるコーヒーと説明されています。
スペシャルティコーヒーは、甘さや香味、後味、味のバランスなど8項目のカッピングによりカップのコーヒー(液体)の味を評価するそうです。味を評価するとは言っても、飲むわけではなく、口に含んで感じとり、吐き出すのです。写真は、実際のカッピングの様子です。このような過程を経て80点以上の評価のものがスペシャルティコーヒーとして認定されます。
写真説明:カッピングの様子
写真説明:店頭にあるボード。お店で扱うコーヒーの説明も。
おすすめはアフリカ系のコーヒー
コーヒーチェリーと呼ばれる真っ赤なコーヒーの実の中身から種子(コーヒーの生豆)を取り出す作業を精製といいます。アマノコーヒーでは、ナチュラル、ウォシュド、パルプドナチュラルと3種類の方法で豆を精製しています。
まず、ナチュラルとは、収穫したチェリーをコンクリートやビニールシートなどに広げて、天日乾燥させて脱穀する伝統的な方法です。
そして、ウォシュドとは、新鮮な果実からまず果肉を除去し、内果実に付着した粘液質を洗い流す精製方法です。
最後に、パルプドナチュラルは、ナチュラルとウォシュドの中間的な精製方法であり、チェリーを水槽に入れて異物や果肉などを除いて、パーチメント(内果皮)コーヒーにし、粘液質が付着したまま、コンクリートなどで広げて、天日乾燥する方法です。
天野さんの一番のおすすめは「パルプドナチュラル」とのこと。国によっては「ハニープロセス」とも言うそうです。写真は、ネバネバ(粘液質)で豆同士が固まらないように棒を使ってほぐしている様子です。そして、国によって土壌や気候も異なるので、作業の仕方も変わるのだとか。
コーヒーは様々な国で生産されていますが、天野さんは、エチオピア、ルワンダ、ケニアなど、土壌も気候も素晴らしいアフリカ系のコーヒーが好きで、中でもコーヒーの発祥地であるエチオピアのコーヒーが一番好きとのこと。アフリカのコーヒーは、かつては商社に安く買い叩かれていた歴史もあったそうなのですが、スペシャリティーコーヒーの普及ともに評価が高まり、天野さん自身も強い思い入れがあるそうです。
実際にいただいてみました
私も、おすすめのエチオピアコーヒーと少し甘めの上賀茂ブレンドをいただきました。左がエチオピアコーヒーで、右が上賀茂ブレンドコーヒーになります。
エチオピアコーヒーは、最初、フルーティーな香りが口の中に漂い、後から紅茶のようなさっぱりとした舌触りが残り、とても不思議な味でした。
上賀茂ブレンドは、苦すぎず、甘すぎず、後からコーヒーの風味が口の中に残り、すごく余韻に浸れる味でした。さらに驚いたのが、コーヒーが冷めれば冷めるほど、味がとても分かりやすくなっており、それもコーヒーの新しい楽しみ方なのだと思いました。
いろんなコーヒーの味を楽しんで
最後に天野さんに、このサイトをご覧の方へ伝えたいことを尋ねました。「僕はオススメのコーヒーを聞かれても言わないんです。人よって好みがあるから。好みも変わるし。それがいいところ。だからお店では『ちょっとコレ飲んでみて』って色々試してもらうんです。いろんな国の味があるから飲んでほしい」と、天野さんは話してくださいました。
取材を終えて
今回の取材で私は、コーヒーとは一般的に知られる苦みのあるコーヒーとは違うスペシャルティコーヒーという新たなコーヒーと出会うことができました。ウェブサイトをご覧になっている皆様にも、ぜひ体験していたただきいと思います。よろしければ、一度足を運んでみてください。
(取材:大谷大学一回生 山極裕貴 取材日2020年 12月 3日)
「AMANO COFFEE ROASTERS」
〒603-8203京都市北区紫竹東高縄町23-2ルピナス1F
Tel&Fax(075)491-6776
営業時間/10:00〜19:00
(祝日)変動あり
ホームページhttps://www.amano-coffee.com/
Facebook https://www.facebook.com/good.coffee.kyoto/
メールアドレス info@amano-coffee.com