今回お話を伺うことができたのは、北大路にある商店街の一角のお店を開いている『はせがわ』。
昭和40年ごろからここに佇むこの洋食料理屋は人気料理サイトでも紹介されるお店です。その人気の秘訣について店主のはせがわさんとともに探っていきたいと思います。
本当はデザインの勉強をしたかった
高校を卒業した三月、デザインを勉強したいと考えていた長谷川さん。しかし父親にこの北大路の場所で料理屋をやれと言われ断ることもできず、しぶしぶこの地にお店を開きました。
料理などしたこともなく右も左も分からない長谷川さんは料理本を片手に試行錯誤を繰り返したといいます。何も無いゼロからのスタート。ここからの苦労は一言では語れないものがあったと思います。今でこそ何十ものメニューが店頭に並びますが、最初は一つか二つ。お店を始める苦労の欠片をこの時点で感じていました。
歴史を感じる内装です。
周りの人たちに恵まれた人生
店主の長谷川さんは、自分はいい縁にめぐり合えたとおっしゃっていました。その中でもこれからのお店作りに影響したのが真言宗醍醐寺仏教での教えです。「まずお客さんに美味しいと言ってもらえる店作りを。その後に儲けはついてくる。」そして洋食料理屋『はせがわ』の特長とも言える個性豊かなメニューの数々。今では様々な個性豊かな料理が色々なお店で味わうことができますが、当時はまだまだ目新しく真正面から考えていては思い浮かばない、新しいものを生み出すという作業でした。
そんなメニューを考案することができたのは料理の知識がほとんどなく、固定観念にとらわれない長谷川さんだからこそだったのかもしれません。
人気のメニュー
『はせがわ』の中で一番こだわっているというハンバーグ。その中でも「きのこ」「かぼちゃ」「ほうれん草」のハンバーグの三つは定員さんもおすすめする人気商品となっています。ハンバーグ自体は変わりませんが、ソースが変わることでこんなにも別物になるのかと感じることは間違いありません。そして長谷川さんはまず眼でみておいしいという感覚を与えたいと話されていました。料理の見た目で楽しみ、次に味覚で堪能する。二度味わうことのできるその瞬間は至福のひとときとなることは間違いありません。
人気の「きのこのハンバーグ」をいただきました。
またこちらのお店ではテイクアウトも充実しています。人気のハンバーグからエビフライまで様々なメニューをお持ち帰りすることができます。お店から出て徒歩すぐには鴨川が広がっており、青々とした天気の中、美味しいランチを食べることもできます。そしてテイクアウトのみ電話予約可能となっています。人気のお店のため、店内が混んでいるときにも嬉しいですね。
オーナーのこだわり
歴史を感じることができる店内は、ほとんどの物を長谷川さん自らが手がけています。
手作りのメニュー表とコップ、コースター
コップや椅子、メニュー表は全て手作りで、他のお店にはないただ一つのものを個性として味のあるものがたくさんあります。 辛抱すればできる。諦めなければなんとかなる。という言葉を何度も繰り返されていた長谷川さんは、人生そのものがその言葉を体言しているようでした。そして人の真似をせず、すべて自分のしたいように、自分のやり方で進むことに成功の秘訣があるといいます。「死ぬまで現役」を公言している長谷川さんと話を交わしていると料理に対する想いや覚悟をひしひしと感じることができました。
今回の取材を終えて
74歳という年齢を感じさせない長谷川さんからは、取材ということを忘れて人生の勉強をさせていただきました。お店を営業するうえで必要な個性と多少の頑固さ。プライドを持ったその精神が創業56年という長い年月を経てもなお愛される秘訣なのではないかと感じることができました。お話を伺うにつれて『はせがわ』は長谷川さんの人生であり簡単には語ることのできない存在であるのだなと思いました。それと同時に、私たち若者を応援する姿勢にも感銘を受けました。
今回は長々と取材にご協力くださった店主の長谷川さん、従業員のみなさんに感謝を申しあげます。
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グリル&コーヒー 「はせがわ」
住所:京都府京都市北区小山下内河原町68
電話:075‐491‐8835
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業、翌日休み)第三火曜日