~こころやすめる「御靈神社」~

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今回私が取材したのは、地下鉄烏丸線鞍馬口駅から徒歩3分にあり、大谷大学と同志社大学の中間に位置する「御靈神社」さんです。地域の人からは「ごりょうさん」「上ごりょうさん」と親しまれ、建立の歴史を振り返ると平安時代にまでさかのぼります。御靈神社の小栗栖さんにお話を伺いました。

(御靈神社)

御靈神社の名前の由来

桓武天皇の時代、各地では疫病が流行し、これは無実の罪で亡くなった早良親王の御霊(みたま)であるといわれました。その御霊が暴れないように慰め沈めるのが、この「御靈神社」です。また、恨みを残した魂を怨霊と呼ぶのではなく御霊と呼ぶことで親しみをこめています。

こちらでは、「厄除け」「こころしずめ」「己に打ち勝つ克己守り」などのお守りの授与や祈禱などを受けられます。特にコロナ禍での日々にストレスを抱える人や人間関係でのイライラや不安に悩む人には「こころしずめ」は効果抜群です。また、安産を願い訪れる女性も多いです。

 

御靈神社の見どころ

御靈神社の境内は豊かな自然があり、応仁の乱の発端地となった「御霊の森」の面影を感じさせます。

・「芭蕉句碑」

境内には、「芭蕉句碑」があり松尾芭蕉がこの御靈神社で詠んだ句が刻まれています。ぜひ、訪れて読んでみてください。

(芭蕉句碑)

 

・「清明心の像」

境内を奥に進むと「清明心の像」というものがあり、水がたっぷり入った大甕に落ちた子供を近くにあった石で大甕を割って救うという像になっています。判断力や清い心を表しており、他では見ることのできない珍しい像です。

(清明心の像)

 

・「イチハツ」

御靈神社では、外堀にイチハツの群生があり、境内の数か所でもイチハツを楽しむことができます。アヤメ科のイチハツは4月下旬から5月上旬までが見ごろで、その青紫色の花は、通行人や参拝者が足を止めてしまうほどの美しさがあります。

(イチハツ)

 

・「応仁の乱発祥の地」

また、御靈神社は「応仁の乱発祥の地」であり、戦国時代の幕開けとなった応仁の乱は、応仁元年(1467年)に御霊神社境内の御霊の森に陣を構えた東軍(畠山政長)を西軍(畠山義就)が襲撃した「御霊合戦」が発端となりました。現在の自然豊かな境内からは想像もできなかったです。

~御靈神社の催し~

・御靈祭(ごりょうまつり)

御靈祭は、貞観五年に天災や疫病の流行を鎮めるために神泉苑で行われた御靈会(ごりょうえ)を起源とし、以来千百年以上の歴史を持つお祭りです。

令和4年の御靈祭は5月1日と5月18日に行われ、通常では三基のところ、今年は一基のみの御神輿での御靈祭となりました。一基に約200人携わり、その活気は地域の人々や見に来た人たちの気を晴らし、元気づけました。

 

・人と人をつなぐ「さえずり市」

毎月18日(5月を除く)に「さえずり市」と呼ばれるフリーマーケットが行われ、いろいろな地域から訪れる出展者が手作り品やリサイクル品、衣料品やお菓子など様々なものを出店・販売し、お客様として、地域の方々が訪れることで人と人とを繋ぐ交流の場となっています。

 

取材を終えて

今回取材をさせていただいて、御靈神社の由来や歴史など、多くの貴重なお話を聞くことができました。自然豊かな境内での取材はとてもリラックスした空間で行うことができ、特別な時間を過ごすことができました。ぜひ、多くの方に御靈神社で歴史と自然を感じていただきたいです。

 

最後にお忙しい中、取材に対応していただいた小栗栖さん、本当にありがとうございました。

 

(取材:大谷大学3回生 中臣琉誓 取材日 2022年 6月4日)

 

住所:京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495番地

電話:075-441-2260

 

 

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