今回、紹介するのは大徳寺から近い、新大宮商店街にある「えびすやのパン」です。
店主の藤原雄三さんにお話をお伺いしました。
セカンドステージで始めたパン屋さん
藤原さんは、サラリーマン生活を経て、人生のセカンドステージとして、定年退職後に独学でパン屋さんを始められました。藤原さんのパンづくりで大事にしていることは「安全最優先」です。20代の頃、ウナギの養殖場に行く機会があり、奇形のウナギを目にしたことから、養殖の怖さに気付いたそうです。その時に、「安全なものを作りたい」という思いが芽生え、現在のパンへのこだわりにもつながっているとのことでした。
食パンの材料はわずか4種類!?
天然の味を重視した結果、食パンの材料には、北海道産小麦「はるゆかた」・沖縄産「粟国の塩」・カリフォルニア産「モハブレーズン」・「回帰水」の4つのみを使用しているそうです。ひとつひとつの材料にかなりこだわっていることがわかりました。まずレーズンを回帰水に漬けて30度で約100時間発酵させて絞った液と粉で天然酵母を作ります。これには約1日かかるそうです。実際にこの発酵したレーズンの匂いをかがせてもらったところ、ほのかにワインのような香りがありました!!次に酵母・粉・水・塩で生地を作り、低温で10時間~12時間程発酵させます。そのあと30度湿度90%で仕上げます。低温発酵することによって4つの材料の特徴が絡み合って天然の優しい味を作り出していくことができます。こちらはただ手助けをするだけで十分なのです。
海水100%の自然の素材の粟国の塩
素材の味が楽しめるパン
こうしてできた食パンは、全部で6種類。シンプルなプレーンの他、レーズン、くるみ、玄米など、種類も豊富です。このほか、ひとつ100円から買えるあんパンもとっても美味しそう。
食パンのメニュー
プレーン ¥350 お茶 ¥400
レーズン ¥450 くるみ ¥450
全粒粉 ¥400 玄米 ¥400
あんぱんいろいろ
取材を終えて
すべての素材を天然にこだわっていることに、たいへん惹かれました。「将来は障害者の方たちとも一緒にパンを作りたい」という今後の展望も聞くことができました。また、店主の藤原さんに「苦労はありますか」とたずねた際に、はっきりと「苦労はない」とおっしゃる姿を見て、本気でパンと向き合っておられて素敵だなと思いました。
(取材:大谷大学三回生 沼田明日香)
えびすやのパン
住所:京都市北区紫野門前町45
電話番号:075-494-5888
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜日・月曜日
ウェブサイト:http://ebisuyanopan.com/